昨日はマネーの会主催のセミナー、「コロナ後を生き抜く通説に惑わされない投資と思考法」に参加しました。講師はブーケ・ド・フルーレットの代表 馬渕治好さんです。

セミナーの概要
主催者
セミナーの企画は”マネーの会“。コミュニティの女王 中村薫さんが主催する会で、よくセミナーやイベントに参加させてもらっています。
マネーの会 公式ホームページ
このブログでも参加したセミナーは知識の整理として、記事にしています。
セミナー日時
2020年12月26日(土) 9:30から2時間、渋谷の貸会議室で行われました。休日の朝活です。コロナ禍でオンラインセミナーが多かったので、久しぶりのリアルセミナーとなりました。参加者は20人超でした。
講師 馬渕 治好さん
馬渕治好さんは経済アナリスト。世界の経済動向や市場動向(株価、金利、為替、商品相場等)を分析して、レポートをだしたり、セミナーを開催したり、テレビなどのメディアに出られたりしています。私もテレビでお見かけしたことも。
旧)日興証券に入社されて、日興グループの調査関連諸部門を歴任。2009年に独立されました。
東大理学部数学科卒業の上、米国マサチューセッツ工科大学経営科学大学院修士課程修了という、私が普通会うこともないようなクラスの人。なのに「先生」とは呼ばないで「まぶりん」と呼んで欲しいとお願いしちゃうほどの気さくな方です。
セミナーメモ
響いた点を中心に、私的なメモです。ピントがずれている点もあると思いますが、ご容赦のほど。
今回は馬渕さんが業界の毒を吐くということで、「ブラックまぶりん」となっての講演。11月に発売された同名の著書の内容がベースとなっています。
セミナーの前半は医療情報と投資情報の類似点について、後半はリーマンショック以降の市場の分析と今後の見通しの話です。前半はちょっと私には取り扱いが難しいので、後半部分にフォーマットを当てて書きます。
「ブラックスワン」と「灰色のサイ」
「ブラックスワン」は想定外を示す言葉。むかし、ヨーロッパでは黒い白鳥はいないと思われていたのに、オーストラリアに実在して鳥類学者の常識が崩れたことに端を発する言葉です。マーケットでは「起きたときの衝撃が大きい事象」に対して使われます。
「灰色のサイ(グレー・リノ)」は目視できて普段はおとなしいサイが、一旦暴走し始められると誰も手をつけられないことに由来する言葉。マーケットにおいては、「高い確率で大きな問題を引き起こすにも関わらず、軽視されてしまいがちな材料」を指します。例えば不良債権とか少子高齢化とか。
この2つの言葉で最近のマーケットを読み解くと、こうゆう見方ができるそう。
2月の暴落と現在の相場と今後の予想
2月の暴落はコロナによるブラックスワンに思われているけど、実は灰色のサイ。2019年は米国株を中心とした買われ過ぎがあって、データ的にも実態経済と乖離が見えていた。でも「問題ない」という肯定の心理が働いていた。コロナをきっかけにバブルがハジけただけ。その後、3月にボトムをつけて、6月にリベンジ消費(2〜5月の消費抑制による反動)で復活した。
現在の株高はみんながバブル、バブルと言っているが、みんながバブルと言っている(手綱をひいている)から逆にバブルではない。みんなが「バブル」と言わなくなって株高を肯定したときがホントのバブル。
現在から来年にかけては政策による「結果としての」株価支持。2021年は多少の調整はあるとしても、景気回復をかなり織り込んで上昇基調が進む。政策効果が一巡して元の経済に戻る(反動がくる?)のは2022年くらいじゃないだろうか。
セミナーで提示されたデータ群
セミナー資料にはリーマンショック以降の統計データが掲載されていて、説明していただきました。著作権もありますし、私がちゃんと消化しているわけでもないので、タイトルだけあげます。
・ISM製造業指数
・ISM製造業と非製造業の差
・日銀短観業況判断DIの製造業と非製造業の差の推移
・金額と数量でみた日本からの輸出の伸び
・鉱工業生産(5月を底として回復)
・銅÷金の比率(2019年の株高への警鐘)
・バルチック開運指数(世界の景気動向を示唆)
・日米の企業収益動向の格差
・米国株式のPER
・米国のマネタリーベースとM2の推移
・先進酷と新興国の経済成長率格差
最後に
上のセミナーメモはあくまで私の振り返りメモ。正確なところは馬渕さんの新刊を読んでくださいね。また景気の読みは専門家でも十人十色。あくまで一つの意見として捉えるのが大事かと。
セミナーの最後に質問タイムがありましたが、何人も踏み込んだ質問していてデータの読み解きとか、個人の見解とか持っていてすごいなぁと感嘆。私はふむふむと聞くこと止まりですから、全然理解が浅いのでしょうね。
それでも専門家の生の声を聞いて学ぶことを続けて行きますよ。学びで人生リッチに、資格リッチでした。それではまた!
馬渕治好さんの著書です。